suitandtie

日記的な

日記だよ!でもアメリカに住んでる→日記なのに日付がずれる!→こまけぇこたぁいいんだよ!

黙って読め!硬派銀次郎という漢のバイブルを!

ずっと欲しかったKindle漫画があった。嫁さんとの約束で、Kindle本はセールになった時のみ購入可というルール(私が発案者)のせいで、ずっとほしい物リストに埋もれていた漫画があった。Kindle本のセールの知らせがある度、あるかなあるかなと期待に胸を膨らまし商品リストを眺めては見つからず、「今回もか...」と溜息をつく日々。しかしそれも先週までのこと。Kindle漫画のまとめ買いがセールになっていて、幾つかのサイトでは「カイジ祭りだぜ!」とか言っていたのを散見したが、私からすればそれは全くの勘違い。カイジがなんだ!この漫画を差し置いて祭りもクソもあるか!そう、私にとってこのセールは、かれこれ1年以上は待ち続けていた硬派銀次郎の為のセールだったのだ。

 

 

ちなみに賭博黙示録カイジも全巻買いました。そりゃあね、セールだから飛びついちゃうよね。

 

 

カイジの話はいいんだよ。今日は男の中の男である銀次郎、通称銀ちゃんの話である。作者は本宮ひろ志先生。「サラリーマン金太郎」や「まだ、生きてる...」などで有名だが、私の中では硬派銀次郎の作者であるという1択。あ、「まだ、生きてる...」は有名じゃないか。

 

 

銀次郎はマジで硬派。というかまず硬派とは何だというところから。

 

硬派(思想)とは、自分たちの思想主義、意見などを強く主張して、時に過激な行動も辞さない態度を見せる一派を指す。ここでいう思想や主義は、主として政治思想のことを指す。類義語に「タカ派」がある。

硬派 - Wikipedia

 

いや、違う違う。Wikipedia、違うよ。政治思想とかじゃないから、銀ちゃんは。そんなしょっぱい話じゃないんだよ。

 

デジタル大辞泉の解説

こう‐は〔カウ‐〕【硬派】

 自分たちの意見や主義を強く主張し押し通そうとする一派。強硬派。「硬派の意見に押される」⇔軟派
 女性と交際したり服装に気をつかったりすることを軟弱とみなして反発し、ことさらに腕力や男らしさを強調する態度。また、そのような青年や、一派。「硬派で鳴らす」⇔軟派

硬派(コウハ)とは - コトバンク

 

ここでいう硬派とは、この定義のことです。男女交際?汚らわしい!(by銀次郎)。相手の状況で態度をコロコロ変える?男なら自分の思った通り生きろ!(by銀次郎)。天茶中学3年生の山崎銀次郎は中学生ながら、中身は硬派ど真ん中。仲間がカツアゲされれば、やった奴の学校に乗り込んでぶっ飛ばし、川に流されている生き物がいれば自分の身を顧みず助ける。腕っ節は強く、でも無闇やたらに喧嘩するのではなく、守る人がいる時や理不尽な要求をされた時にだけ発揮する。その上、助ける人助ける人美女揃いで、そのたびに好意を抱かれ迫られること多数。常人ならば魔が差し気持ちが揺らいでしまいそうな状況でも、銀次郎は心に決めた人である小沢高子だけを静かに思い、決してフラフラしない。かといって高子に大げさな愛情表現をするわけではなく、あくまで硬派!

 

まぁ簡単に言うと銀次郎の硬派っぷりを周りの人間達とのやり取りで存分に見せていくという漫画です。メインはだいたい喧嘩、殴り合い、取っ組み合い、喧嘩柔道など。でもこの漫画の凄いところは、良くも悪くも銀次郎は自分一人で物事を決断し、自分一人で問題を解決すること。人望が厚く老若男女から好かれるているので結果的に周りの人が助けてくれることもあるが、基本的には自分の道を自分で切り開いていく。我が強くて独りよがりといえばそれまでなんだけど、そうではなくて自分の信念を貫き通しどんな困難にも一人で真正面からぶつかっていくという漢の姿。これが本宮ひろ志先生が考える「硬派」の定義なのではないだろうか。物語を通して一貫しているこの考えにとても惹かれたのが、私の中で大絶賛な理由なのだと思う。約40年前に連載されて、それでも現代にいる私にここまで影響するなんて、本当に漫画って凄い。

 

ネットを見回すと、硬派銀次郎を絶賛している記事がいくつかあって、これらを書いてる人達とは一晩酒を酌み交わしたいね、ほんとに。

 

 

[「硬派銀次郎」 ~思い出したい男の価値] by 漫画年代記

 

硬派銀次郎は全9巻で、中学卒業までを描く。それの続編として「山崎銀次郎」というシリーズが全5巻。「山崎銀次郎」は今まで読んだことなかったけど、「硬派銀次郎」を読破した瞬間に即買。「山崎銀次郎」は高校生活とその先を描いている。他の方たちもおっしゃるとおり、「硬派銀次郎」と比べるとやや落ち着いてしまった印象が否めない。が、そこは本宮先生。なんだかんだで満足させられてしまいました。そして結末は大団円。まぁこの漫画でこれ以外のエンディングはありえないでしょう。

 

私のこのマンガとの出会いは、父の実家にあった硬派銀次郎第4巻を読んだ中学生時代。きっと父が子供の頃読んでいた漫画が何冊か残っていたのだろうと推測。私が中学生の時に読んで何故かすごく心に残っていて、大人になった今もずっと欲しいと思っていた。今回Kindleでゲットして貪るように読み、この漫画の凄さを再確認。父とお酒を飲みながらこの漫画のことを話すのが近い将来の目標です。

 

とにかく「硬派銀次郎」を読んだことない人には、黙って読めこれが漢ぞ、と伝えたい。