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日記的な

日記だよ!でもアメリカに住んでる→日記なのに日付がずれる!→こまけぇこたぁいいんだよ!

パウロ・コエーリョ著アルケミストを読み込む

私は読書量に関して、平均的な日本人だと思う。

 

数年前に文化庁が実施した調査によると、2013年度には16歳以上の日本国民の47.5%は、雑誌・漫画を除いた活字の本を1ヶ月に1冊も読んでいないというが、34.5%は月に1〜2冊読むという。まぁでも、12冊/年ではなくとも1冊くらい本を読む月もあるという人は結構いると思うので、大多数の人が1冊/月くらいは本を読んでいると言ってもあながち間違いではないだろう。

図録▽国民の読書量

 

また、hontoの調査では、20代男性の56%は月に1冊以上本を読み、1日の平均読書時間は39.1分とのこと。私はこのhontoの調査結果ドンピシャだと思う。私は本を読まない日もあるし、半日読んでる日もある。実際に図ったわけではないけれど、平均するとこの結果くらいに落ち着いてると思う。

honto - あなたの読書時間、世の中と比べてみませんか?

 

なんにせよ私は、外国住まいという特異点はあれど平均的な20代の日本人男性。その私がかれこれ10回は読み返している本がある。そしてそれは私がこれから毎年元日に読もうと思っている本。パウロ・コエーリョアルケミストである。

 

アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)

アルケミスト―夢を旅した少年 (角川文庫―角川文庫ソフィア)

 

 

この本に出会ったのは、Market Hackの編集長である広瀬隆雄さんが紹介しているこの記事。

いやーこの本は凄いね。結構スピリチュアルなことも書いてあって、そっち系が好きな人は単純に楽しめると思うんだけど、私のようにそうじゃない人であっても生きることに参考になることが山ほどある。他人におすすめするとしたら、ぶっちゃけストーリーや結末は大した問題じゃないと伝えるだろう。簡単に言うと、夢を追い求めることはどういうことなのか?人生の意味とは何か?を教えられる本であると思う。広瀬さんの記事でも言われている通り、この本の大きな主題は、「人生とは選択の連続である」という事だと感じる。でも何にせよごちゃごちゃ言わずとりあえず読んでみろ、と。物語の随所に素晴らしい金言と、はっとさせられる場面がある。文庫で約200ページ。本を読むスピードは決して速くないと自負する私で2時間くらいで読める。

 

私が将来有名になって、人生を変えた1冊っていうインタビューを受けるとしたら、間違いなくこの本がそれに値するだろう。

 

私が普段読む本は紙の書籍かKindleかに関わらず、大体がノンフィクションか自伝、ルポタージュや歴史物や学術書など。そして、ペンを片手にドッグイヤーしながら線を引きながら読むのが私の定番読書スタイル。なので、私の持ってる本は自ずと付箋やハイライトだらけになる。このアルケミストは私の蔵書の中で少数派であるフィクションでお伽話なんだけど、読み終わった時に気づくハイライトの多さと言ったら。また、この本のさらに凄いことは、毎回読むたびに新しいことに気付かせてくれること。ハイライトする箇所も毎回読むごとに違うところがあり、きっとそれはその時の自分の置かれている状況や精神状態によって感銘を受ける部分が違うからなのだと思う。

 

昨日読んだ時に一番グッと来たのはこの文章。

未来がわかっているのは神様だけだ。神様が未来を明らかにするのは、特別の事情がある場合だけだ。どうやって未来を推測するのかだって?それ は現在現われている前兆をもとに見るのだ。秘密は現在に、ここにある。 もしおまえが、現在によく注意していれば、おまえは現在をもっと良くすることができる。そして、おまえが現在を良くしさえすれば、将来起こっ てくることも良くなるのだ。未来のことなど忘れてしまいなさい。

パウロ・コエーリョ; 山川 紘矢; 山川 亜希子 (2013-06-25). アルケミスト 夢を旅した少年 (角川文庫) (Kindle Locations 1299-1304). . Kindle Edition.

 

将来のことを考える時に、最も大事なのは今だと。今自分がいる状況を注意深く観察し、その中で最善と信じることを選択しあとはやるのみ。私はそう解釈して、2016年の今年を生きていこうと思いました。この本を正月に読むという選択をした私は、これからも冒険していきます。