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日記的な

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モロッコ・ポルトガル・スペイン旅行記〜マラケシュ2日目〜

ロッコ2日目の朝は、7時前に起きて身支度。今日は1泊2日の砂漠ツアーへ出発する。前日に予約したツアーのガイドが7時半過ぎに宿に迎えに来てくれて、5分くらい歩いてフナ広場で待っているツアーバスに乗り込む。バスは約15人乗りの小規模なもの。他の宿から集まったであろうツアー参加者達はすでに車内で待機中で、私と妻が最後に合流した参加者だった模様。

 

このツアーは、頻繁に休憩を挟むとはいえ片道約6時間バスに揺られる道のり。事前の調べでは、モロッコはどこに行くにも長距離バスに長時間揺られないと行けない所が多くて、3泊4日しかモロッコに滞在しなかった私と妻には1泊2日の砂漠ツアーが限界だった。結果的には、比較的短期間のこの砂漠ツアーで正解だったのだが。

 

マラケシュを出発して、山道に揺られること数時間。

 

 

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こんな山道を1時間おきくらいに休憩を挟みながらズンドコ。

 

最初に向かったのはAit Benhaddou(アイト・ベン・ハッドゥ)という、モロッコの有名な観光地。

 

 

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こんな感じに城砦みたいになった集落で、いまも住んでる人がいるというのが驚き。ここをツアーガイドさんに連れられて1時間弱練り歩く。

 

 

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中央の黒人さんがツアーガイド。彼は英語・フランス語・スペイン語を駆使しててスゴかった。それが仕事だって言っちゃそれまでだけど、より沢山の人とコミュニケーションが取れて、キッチリ笑いまで取れる彼は単純にかっこよかった。

 

 

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色々見て回ってからお昼ごはん。

 

 

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このサラダが抜群に美味しかった。どれもオリーブオイルとか塩コショウがメインの味付けだけれど、ビネガーで酢の物にしてあったり独特のスパイスがかかってたりしてとても美味しい。しかし左の方に写ってるビーツだけは例外。味付けうんぬんじゃなくて、何回食べてもビーツは好奇心の塊だった子供の時に食べた砂場の土の味しかしない。

 

 

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メインディッシュは、チキンと野菜の煮物がクスクスに乗っかってるやつ。これは想像通りの味で間違いなく美味しかった。ちなみに、まだモロッコ2日目だというのにモロッコ料理に飽きたとか言い出した妻は、ミートソーススパゲティを注文。少し味見させてもらったが、これが笑えるくらいマズい。下品な表現になってしまうが、モロッコ人男性が漂わす体臭の味。いやもう、そうとしか表現できない味。そんな味だったので妻は大半を残していた。

 

そしてさらにツアーバスに揺られること数時間。この日泊まる予定の砂漠近くの町に到着、そこからすぐにラクダ移動。

 

 

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生ラクダに夫婦で興奮。

 

 

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バスから降りて5分後には、こんな風にラクダの上。なんかこう、もうちょっと注意点とか説明的なのがあってもいいんじゃないか...と思いつつも、「ここにまたがれ」と言われその通りにするとポンとラクダの背を叩きラクダが急に立ち上がる。特に説明はない。私のおどおどした態度を見て、ガイドさんは満面の笑みで私を見ていた瞬間が上の写真。

 

 

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さて、出発。こんな風に2列に並んで進んでいく。ラクダ初心者の私の率直な感想としては、ラクダって乗り心地最悪。「ラクダは楽だ」、とか行ったのは一体どこの誰だ。とんだ迷言だよ。上下動が激しくて1歩進む度に尻が痛い。

 

 

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後ろを振り向けばつぶらな瞳のラクダさん。でもこいつ、こんな顔して歩きながらうんちドバドバ落としてくんだぜ...。この時初めて知ったけど、ラクダって歩きながらうんちするらしい。しかもものすごい頻度で。30分強しか乗ってなかったのに、前を歩いてたラクダは3回は脱糞してた。それを見て、もしかしたら人間も歩きながら無造作に脱糞すれば便秘なんてこの世から無くなるのかもしれないと思ったり。

 

 

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そんなくだらないことを考え、尻の痛みに耐えながら辿り着いたは砂漠のキャンプ地。砂漠とは言ってもここはザゴラ砂漠という比較的小規模な所なので、CMやネットで見るようなザ・砂漠ではなくて、どちらかと言うと、「うん、まぁ砂漠っちゃ砂漠だね」といった規模だった。それでもアフリカ大陸の砂漠には間違いないので、私としては全く問題なし。

 

ここはベルベル人という現地の人達が暮らしてるエリアで、上の写真のようなテントが約20基ほど円を描くように連なっている。それぞれのテントにシングルベッドが4台あって、私たち夫婦はドイツから来たカップルと相部屋。集落の外れにトイレとシャワールームがあるテントが別にあったけれど、シャワーは水が出なかった。砂漠滞在中はシャワーは浴びられないだろうと予想していたので問題なかったが、それにしてもこのシャワールームは一体何のためにあったのか。

 

到着後夕飯までの間は、テントが連なった円の中心に敷いてある絨毯に座布団を置いて寝っ転がってダラダラしたり、ベルベル人たちが出してくれる熱いミントティーを飲んだり、一緒のツアーできた人達とおしゃべりしたりして過ごす。ただダラダラしてるだけなんだけど、ダラダラしてる場所が砂漠のど真ん中っていう非日常感がたまらなく楽しかった。

 

その後、夕食。夕食はジャガイモのスープ、カピカピのパン、そして鶏肉と野菜のタジン鍋というモロッコ定番メニュー。「レストラン」の看板が申し訳程度にかかってるただのテントの中で食べたのだけれど、部屋が暗くてまともな写真が取れなかったため写真はなし。私は普通に食事をしてたけれど、妻を含めたツアーの参加者たちは長旅の疲れとラクダツアーによる尻の痛みにより食欲なさ気だった。

 

少しびっくりしたのが、ここで出てきたカピカピのパン。同じテーブルに座ってた女の子が手に取ったパンを半分に割ってコンコンと叩くと、中から出てきたるは数匹のアリたち。その時私はすでに現在進行形で食べていたので、アリが出てきた所で怯まない。他のみんなもモロッコの非日常感と疲労もあったせいか、「モロッコだねぇ」的な反応を示すだけ。慣れっていうのは人間を逞しくしますね。

 

夕食後にはもう本格的にやることがない。なにせここは砂漠のど真ん中。絨毯に寝っ転がって空を見たり、焚き火を眺めたり、ただただ何もしなかったり。今振り返ってもこれはすごく幸せな時間だったと思う。

 

 

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夜も更けてベルベル人たちが焚き火の横で歌を歌いだす。打楽器とアラビア語の歌声。空には朧月夜。周りには色んな国から来た人達の笑い声。こういう場面がやっと私の人生にも訪れたんだな、と少し感動した。大満足の中、モロッコ2日目が終了。