モロッコ・ポルトガル・スペイン旅行記〜マラケシュ3日目と4日目〜
途中で止まっていたこの旅日記を書き終えないと次へ進めない気がするので、続きを書こう。旅行から約2年後の今、どれだけ覚えてるかが勝負だ。
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砂漠で目覚める朝。1泊2日という短い砂漠ツアーのため、この日はマラケシュに帰るだけの旅程。
6月中旬の朝焼けの砂漠は熱くもなく寒くもなく、服装は薄手の長袖1枚に短パンにビーサン。熱いミントティーを起き抜けに飲んで、ベルベル人たちに急かされながら支度して、再びラクダの背に乗って出発。
30分強ラクダに揺られると舗装された道の路肩に到着。そこでラクダから近代的な送迎バスに乗り換え。東京でする地下鉄の乗り換えとは訳が違うが、この時点ですでにラクダとは心を通わせていたので別れが少し寂しい。ちなみに私が乗ってきたラクダは、別れの挨拶とばかりにこれでもかとうんちをひねり出していた。
前日来た道をほぼそのままとんぼ返りの帰路。
こんな羊だかヤギだかと道を譲り合いながら、バスに揺られてマラケシュまで戻る道のり。行きは約1時間毎に休憩を取っていたけど、帰りは疲れが溜まっていることを考慮してか30分〜45分おきぐらいに休憩所に止まってくれた。実際に疲れてたから助かったけど、そのおかげで帰りは7時間ちょっとかかってマラケシュに到着。
バスから降りて次の宿に向かう。泊まったのはここ。
端的に言って最高の宿だった。モロッコ独特のリヤドという中庭があるスタイルの宿で、入ってすぐこんな感じ。
2階から見下ろすとこんな感じ。
部屋自体はこれと言って特筆することはないけど、この中庭のためだけでもここに泊まる十分な理由になると思う。それと宿の人達のサービスも素晴らしくて、ここはちょっと高いお金を出す価値があった。言っても1泊1部屋で$70=7000円くらいだけど、まぁモロッコの物価を考えるとね。
この日は宿にチェックインして少しのんびりしたらもう夜。少し宿の周りを散策しただけで終了。上の写真は宿から歩いてすぐの薬局。この写真も、宿周辺で迷わないようにとただの目印として撮っただけだったが、なんとこのすぐ次の日にお世話になるとは。。。
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翌、明けて朝。朝から妻はグロッキー。砂漠ツアーの疲れで軽い熱が出てるのと、ラクダに乗って臀部を負傷したことによりしばらくベッドから動けず。
しかしこの素晴らしい朝ごはんを楽しむために頑張って起きる。左の方に写ってるナンみたいなのとクレープみたいなのとパウンドケーキみたいなのが全て美味しい。そしてコーヒーが謎に美味い。ポットに入ってた量を全部一人で飲み干すぐらい美味い。中央の小さいタジン鍋みたいな器に入ってたのはフルーツジャム。器の柄も雰囲気があっていいよね。家にあったらなんだかなぁってなりそうだけど。
腹を満たしたら部屋に直帰し、妻は再び体力の回復を図るためにベッドへ。私は妻に頼まれ、臀部の負傷をケアするための湿布を買いに例の薬局へ。薬局の親父は2人。予想通り彼らの英語スキルはゼロ。そして私のアラビア語スキルもゼロ。グーグル翻訳越しに妻の病状を説明し、とにかく湿布だ、湿布をくれ!と奮闘すること約30分。
なんと購入に成功。今を持って一体全体どうやって買えたのかは奇跡としか言いようがない。なにせグーグル翻訳越しでも全く通じてる気配がなかったからね。ついでに意味不明に単4電池も購入して帰宅。ちなみにこの電池、アメリカに帰ってきて使ったらものの10分で死んだから完全にトラップだった模様。
薬局で湿布が買えたらもうモロッコで出来ないことないだろ、という自信が芽生え意気揚々と近所を一人でブラブラ。街角の適当な店に入って適当に昼ごはんを食べるという、地元民のような行動。なにせこの時の私は自信マックスですからね。
美味かったなぁ。モロッコはサラダが美味い。トマト、ピーマン、玉ねぎとか普通の食材で特に新鮮ってわけじゃないんだけど、スパイスが独特で癖になる味。
昼過ぎに部屋に戻って、妻の体調が少し回復して、行くならもう今日しかないというJardinMajorelleへタクシーで向かう。日本語ではマジョレル庭園。私は無理に行かなくてもいいよと言ったけど、妻が行きたいって言うから行ったわけで、無理やり連れてったわけじゃないですよ。
2年以上前の料金表なので参考にならないかもしれません。きれいなボタニカルがたくさんある庭。写真はいくつか。
サボテンに落書きするとか頭が湧いてるとしか。世界中ダメな奴はどこにでもいる。
その後はまたフナ広場にある宿周辺を散策。
扉の向こうはお祈りをするところみたい。
屋台で晩御飯を食べ、モロッコ最後の夜なのでお土産を買い込んだり。
いちいち値段を交渉するのが疲れるけど、やらないと120%ボッタクリ価格なので仕方ない。こんな感じでモロッコ最後の夜が更けていった。
これにてモロッコ滞在は終了。総評としては、モロッコ最高。もちろん、しつこい偽ガイドだったりボッタクリ上等の商店主たちは不快だったし嫌なことはいくつもあったけど、それを補って余りあるほどの素晴らしさがこの国にはある。砂漠ツアーの夜に見た夜空、風の匂い、ベルベル人たちの即興音楽の音は死ぬまで絶対忘れないだろう思い出。惜しむらくは、モロッコという広い国で3泊4日の滞在はやはり短い。カサブランカにもフェズにも青の街シャウエンにも行けてないから、モロッコには死ぬ前にもう1度は行きたい。