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日記的な

日記だよ!でもアメリカに住んでる→日記なのに日付がずれる!→こまけぇこたぁいいんだよ!

スターバックスの天才的な儲け方がエグい

発端はこの記事。

 

 

gigazine.net

 

 

この記事は、JP Koningという人が書いた以下の元記事が参照。

 

 

jpkoning.blogspot.com

 

 

スターバックスは自社アプリを通してコーヒー代金の支払いができる仕組みを持っていて、そこにチャージされてるお金を”deferred revenue” = 前受収益として計上している。また、GIGAZINEの記事内ではプリペイドカードって書いてあって分かりづらかったど、スターバックスはギフトカードを発行していて、そのカードに好きな金額をチャージしておいて、誕生日やお祝い事の時に贈り物にするという習慣がある。このチャージされてるお金を”stored value card liability” = 残存価額負債として計上している。

 

この2種類の負債は、社債機関投資家から借りているお金とは違って無利子負債であり、スターバックスはこの約1700億円もの額をタダで借りていると言える。車や家を買う時にローンを組んだら利息を含めて返済しないといけないように、個人でも法人でもお金を借りたら利息支払いがあるのが普通。

 

そんなうまい話があるか?と思ったらすごいのはここからで、スターバックスが発行しているギフトカードの金額の内、約10%が紛失や失念などの理由により未使用のまま期限切れになるという。ということは、スターバックスは約1700億円をタダで借りれているだけじゃなく、そのうちの約170億円は返さなくていい文字通りスターバックスへのギフトカード!になっている。

 

日本でこのギフトカードの仕組みがどこまで存在するのか私が知らないため説明すると、アメリカではギフトカード文化がとても浸透していて、家族間、友人間、はたまた仕事の場面でも贈り合うことが頻繁に起こる。友人の誕生日に2000円分のカードを送る、仕事の取引先に手土産として5000円分のカードを送る、などなど。もちろんスターバックス以外のお店もギフトカードは発行していて、アメリカにある大抵のチェーンレストランやウォールマート、コスコや、地元の小さな個人商店ですらもギフトカードを発行している。

 

アメリカでは何らかの形でギフトカードを貰う、あげる場面が頻繁にある。そしてその手軽さが、スターバックスが約170億円もタダで儲けられる理由だと思う。ギフトカードをあげた方は、あげたという事実が大事なのであって相手がちゃんと使うかは知ったこっちゃない。貰った方はもともとタダだったんだからなくそうが忘れようがそこまで痛手じゃない。まぁ貰った額が10000円分とかでそれをなくしたら泣くかもだけど、高額のギフトカードは基本貰ってその週末にパーッと使うのがアメリカ人気質。これはほぼ間違いない。

 

私の周りでよくあるパターンが、どこかでもらったギフトカードが財布に入ってるにも関わらず、クレジットカードでお会計しちゃうパターン。大抵、レジが終わって車に戻ってエンジンかけた頃に思い出すっていうのはアメリカあるある。それを2〜3回やったあと、よっしゃレジ終わる前に思い出したぞ、じゃギフトカードで会計お願いしまーす、って言ったらギフトカードの有効期限が切れてますね...って言われるのもまたアメリカあるある。

 

さらにギフトカードでよく起こるのは、$1以下の残高しか残ってない場合。これ、ほんとよくあることで、私もほぼ毎回こうなる。例えば、この68セントしか残ってないカードを財布に入れとくの?邪魔じゃない?ってなって、捨てるとも忘れるとも言えない微妙な感情のまま紛失する。こうやって消えてった端数が全米にあって、塵も積もればマウンテンというようにこれが何億円にもなるんじゃないかってのが私の予想。

 

人間は常に合理的じゃないからこういう事が起きて、その結果スターバックス儲かってますね、っていうのを解説したこの記事が面白かったというお話でした。英語の元記事がやっぱり面白いのでぜひご一読いただきたい。